- お知らせ
小杉丸山遺跡~火入~
それは、金曜日の朝始まった。
たくさんの薪を積んだ車が上り窯の前へ横づけになった。
…その日の夕方には青白い煙がのぼっていた。
そう…小杉丸山遺跡の火入れだ。
広大な丘陵を見渡すと、大規模な手工業生産地であったことを改めて感じる。
次の日…土曜日は、どんよりとした曇り空。
午前中は、当 小杉工場からは煙は見えない。
昼を過ぎた頃、モクモクと 灰色の煙が立ち込めている。
窯の内部温度が上がった為だろうか…刻一刻と煙は色の変化を見せている。
あたりが少しうす暗くなりかけた刻、黒い煙が、ゆっくりと棚引いている。
秋の日の暮にふさわしい光景だ。
月曜日…朝霧が木々の間を立ち込めている中、
窯からは、まだうっすらと、少し黒い煙が上っている。
そして…赤く燃え立つ 焚きこみ口…匠と火との戦いである。
今ここには、緩やかな時間と、慌ただしい時間とが交錯している…
静かに前を通り過ぎ、私は、いつもとおり、会社へと入って行く。
今週も、いい仕事が出来そうだ。